本屋にふらっと立ち寄ると、最近の心理学への関心の強さを表しているのか心理関係のコーナーが想像以上に充実していることを感じます。また研修に参加すると書籍コーナーを設けている場合もあるのですが、その研修に関連する書籍や最近知名度が急上昇している内容の本を見るとどうしても手が伸びてしまう。
そうしていると読むよりも早いスピードで本が積みあがっていくわけですが、そんな塔を見てるとどうも気持ちがよくない。そういったわけで、HPのブログ投稿で忘備録と、書籍の紹介も兼ねて一歩ずつでも読んでいこうと思った次第です。次回からはさっと本だけ紹介できていければ…。
共依存 苦しいけれど、離れられない 新装版
信田 さよ子 著
朝日文庫
https://publications.asahi.com/product/24258.html
依存症を持つ配偶者、妻をケアする一見優しい男性、共依存とDV・暴力、「これは愛情だ」と疑わずに説教することから離れられない親子関係など、章のタイトルを見ているだけでもおなか一杯になってくる。
それぞれの章では、ケアテイカーの人物がどうしてこじれた関係から抜け出せないのか、あるいは抜け出さないという“選択をした”のかを鋭く指摘している。ややもすると私たちのようなカウンセラーに対しても寸鉄となることも書かれている。著者は共依存という言葉を投げかけることについてこう述べている。
正しいと思うことを言ってきかせ、娘のためにと思って説教すること(中略)何ひとつ間違ったことはしていないはずという親の信念にこうして亀裂を入れるのだ。(p.123,124より引用)
この文章は親子関係の文脈だが、先述のすべての関係性に当てはまっていく。1回目に紹介する本としては少し重いかもしれないが、とても刺激を受ける本だった。